入居一時金保全信託の商品概要説明書



第1章 老人ホームサービス付き高齢者向け住宅に対する入居一時金保全措置の義務付け

現在、有料老人ホームを含むサービス付き高齢者住宅の入居に際し収受される入居一時金(前払金)につきましては法令(老人福祉法、高齢者の居住の安定確保に関する法律等)により保全措置をとることが義務づけられております。
この義務づけは、現時点では、2006年4月以降に新設された施設について求められるものですが、それ以前の施設についても入居一時金保全措置は本来あるべきものとして行政指導されており、これに従い、保全措置をとられる事業主体も増加している現状です。

第2章 保全措置の種類と特徴

1.

銀行の債務保証

銀行等金融機関に事業主体の保全すべき金額を連帯して保証することを委託するものです。
これは銀行の審査基準が厳しく、保証料も高額になることを避けられません。

2.

事業主体の親会社の債務保証

これは一定の格付を受けた親会社により保全金額を連帯して保証することを委託するものです。
この制度は2012年春には格付けが撤廃されることになりました。従前保全措置をとっておられた事業主体は別の保全措置に転換移行する必要が生じます。

3.

保険事業者の保証保険

保険事業者との間に保全金額を当該保険事業者が補填することを約する保証保険契約を締結するものです。
これも保険事業者の審査が厳しく、簡単ではありません。

4.

信託事業を営む金融機関(信託銀行)又は信託会社との間に入居一時金保全信託契約を締結すること

これは事業主体を委託者、入居者を元本受益者、信託銀行又は信託会社を受託者として、要保全金額を信託により保全するものです。
信託のあらましは後ほど説明しますが、入居一時金(前払金)をその名義を換えてそのまま保管しますので、本来の意味の理想的な保全措置であるといえます。

5.

民法第33条の規定により設立された法人で高齢者の福祉の増進に寄与することを目的として設立されたものとの間に保全のための契約をすること

例として全国有料老人ホーム協会の設ける入居者募金に加盟することがあげられます。
現在相当数の事業主体がこの方式を採用しておられますが、これも相当審査が厳しく、かつコスト面(入居者1人につき70万円拠出)に難があると思われます。

第3章 朝日信託の入居一時金保全信託の有用性

1.

他の保全措置との比較

(1)
審査・査定のハードルがありません。
銀行保証・保険・全国有料老人ホーム協会のいずれの保全措置につきましても、事業主体の財務状況の審査・査定が必要となり、このハードルが相当厳しく、これを乗りこえても、リスク負担に見合う保証料・保険料・基全拠出金が要求されますので、多大なコストがかかります。
これに比べ、信託は、入居一時金(前払金)をそのまま分別管理するわけですから受託者にリスクが発生しませんので相対的に低コストで受託できるわけです。
(2)
入居者の皆様に安心感を与え、事業主体のグレードアップにつながります。
信託することは分かりやすくいえば入居一時金(前払金)を事業資金に投入せず、そのまま凍結保管することになりますので、事業主体の健全経営を証明することになり、入居者の皆様に安心してもらえ、ひいては事業主体のグレードアップにつながります。

2.

信託銀行及び他信託会社との比較

(1)
朝日信託は弁護士、公認会計士、税理士が中心となって組織された専門家集団であり、小規模案件にも的確に迅速に対応できますので、金融機関及び他の信託会社と比べ、コストを低く抑えることが可能です。
(2)
また朝日信託はわが国で初めて個人信託の専門会社として内閣総理大臣の免許を取得した会社であり、任意後見業務の認可も得ておりますので入居者の皆様にこのような高齢者福祉サービスを提案できますので、入居者の皆様へのサービス向上にも寄与することができます。

第4章 朝日信託の入居一時金保全信託概要

1.

信託のしくみ

(1)
信託
信託とは、「自分(委託者)の信頼できる人(受託者)に財産権を引き渡し、一定の目的(信託目的)に従い、ある人(受益者)のために、受託者がその財産(信託財産)を管理・処分する」制度です。



委託者とは : 財産権を受託者に引渡し、信託を設定する人を委託者といいます。
受益者とは : 信託の利益を受ける権利を持つ人のことを受益者といいます。
受託者とは : 信託を引き受け、一定の信託目的に従って信託財産を管理・処分する者を受託者といいます。
信託財産とは : 受託者に属する財産であって、信託により管理または処分すべき一切の財産をいいます。


(2)
信託の機能
信託には次の三つの機能があります。これらの機能の全部又は一部を活用することにより、信託は様々なニーズに対応することができます。
① 
財産管理機能
信託により財産の管理・処分権が受託者に与えられますので、財産管理能力のない委託者や受益者に代わって専門家である受託者に財産の管理・処分を委ねることができます。
② 
転換機能
信託することにより、その財産の権利者の属性の転換(委託者から受託者へ、財産の管理・運用能力を転換)、権利者の数の転換(権利者の数を単数を多数に、また多数を単数に転換等)、財産権享受の時間的転換(財産権の権利享受の時点を未来に延期させる機能)などが可能です。
③ 
倒産隔離機能
信託された財産は委託者の名義ではなく受託者の名義となることから委託者の倒産の影響を受けません。また、信託財産は受託者の相続財産にはならず、さらに受託者の債権者による強制執行が禁じられているため、受託者の倒産の影響も受けません。
※ 
登記等の可能な信託財産に関する信託の公示
信託財産の登記又は登録を行うことによって、第三者に対し対抗できます。例えば、不動産については、信託の設定に伴う受託者への所有権の移転の登記と信託の登記を行います。
(3)
受託者責任
受託者は法律上さまざまな義務を負っていますが、主要な義務として以下の義務があります。
① 
忠実義務
受託者は、受益者のために忠実に信託事務の処理その他の行為をしなければなりません。
② 
善管注意義務
受託者は、信託事務を処理するにあたっては、善良な管理者の注意をもって、これをしなければなりません。
③ 
分別管理義務
受託者は、信託財産を自己の固有財産やその他の信託財産と分けて管理しなければなりません。
④ 
公平義務
一つの信託に受益者が二人以上いる場合には、受託者は、これらの受益者のために公平にその職務を行わなければなりません。
⑤ 
情報提供義務
受託者は他人の財産管理を担当しているため、受益者等に対する情報提供は受託者の重要な義務の一つとなります。

2.

スキーム図

(1)
スキーム図
【 信 託 要 項 】
○ 委託者兼収益受益者
有料老人ホーム等運営者
○ 受託者
朝日信託
○ 元本受益者
各入居者
○ 当初信託財産
金銭(追加信託可能)
○ 信託期間
個別信託契約の定めによる
(注)通常は1年(自動延長条項付)
○ 受益者代理人の設置
元本受益者が不特定多数となるため、信託契約において受益者代理人を選任します。
(注) 元本受益権の行使は、元本受益者が個別に行うことなく受益者代理人が一括して行使します。
(2)
商品スキーム図の説明
(注)文末カッコ内の番号は、上記スキーム図の番号と一致します。
① 
有料老人ホーム等は、入居に際し、各入居者より入居一時金(前払金)を預かる。(①)
(注) 
この入居一時金(前払金)は、老人福祉法等により保全措置を講じることが義務付けられています。
② 
信託会社に「金銭の信託」を設定。(②)
(注) 
入居一時金(前払金)の保全の方法として、入居者を元本受益者とする信託契約の方法も認められています。
③ 
委託者の破綻等、元本受益権の行使の必要が生じた場合は、受益者代理人が一括して元本受益権の行使を行い、各受益者に配分します。(③)

3.

信託契約の内容

(1)
商品名
特定金銭信託(入居一時金保全信託)
(2)
ご利用者
有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等(以下、「有料老人ホーム等」といいます)を運営する事業者
(3)
信託の目的
委託者が老人福祉法、高齢者の居住の安定確保に関する法律等の規定に従い、有料老人ホーム等の入居者から受領した入居一時金(前払金)についての返還債務を負う場合に備えた保全措置として、金銭の管理・運用することを信託目的とします。
(4)
信託の仕組み
有料老人ホーム等は、入居に際し、各入居者より入居一時金(前払金)を預かります。
この入居一時金(前払金)は、老人福祉法等により保全措置を講じることが義務付けられています。
当社に「金銭の信託」を設定。入居一時金(前払金)の保全の方法として、入居者を元本受益者とする信託契約となります。
委託者は、毎月末日締め及び新たに入居者から入居一時金(前払金)を受領した時に、入居者全体につき要保全額と実保全額とを計算し、受託者及び受益者代理人に通知する必要があります。受託者は、要保全額と実保全額の差額を確認する義務は負いません。
委託者の破綻等、元本受益権の行使の必要が生じた場合は、受益者代理人が一括して元本受益権の行使を行い、各受益者に配分します。
(5)
信託財産の種類
金銭
各入居者一人当たり500万円か返還債務残高かいずれか低い方の金額(要保全額)を常に信託財産の中に留保する必要があります。
新たな入居者があった場合は、当該入居者に係る要保全額を追加信託します。
各入居者に係る要保全額と実保全額の差額を計算した結果、要保全額に不足があった場合は、当該不足分を追加信託します。
(6)
信託契約期間
個別信託契約の定めによります。
通常は1年(自動延長条項付)とします。
(7)
信託財産の運用管理・処分の方法
信託財産たる金銭の運用は、委託者の指図により行います。
運用指図にあたっては、受益者代理人の同意を得る必要があります。
委託者の指図がない場合には、銀行の決済性預金にて運用します。
(8)
業務委託に関する条項
信託財産の管理、運用及びこれに関連する事項の全部又は一部について、受託者が必要と認めた場合は受託者が適当と認める第三者に対し、委託することができます。
(9)
受益者の範囲等
収益受益者は有料老人ホーム等運営者
元本受益者は有料老人ホーム等の各入居者
(10)
信託財産の交付
信託財産の一部解約
委託者は、実保全額が要保全額を超過する場合は、その超過額の範囲内において、受益者代理人の承諾を得て、信託財産の一部解約を行うことができます。
元本受益権の行使
委託者と当該元本受益者との間の入居契約が終了した場合に元本受益権を行使できます。
受託者に対する元本受益権の行使は、受益者代理人が一括して行います。
委託者の破綻等、元本受益権の行使に伴って信託を終了させる場合は、受益者代理人に全信託財産を交付します。受益者代理人は、その責任において、元本受益者に帰属すべき金銭を各元本受益者に交付し、信託収益及び委託者に帰属する信託財産は委託者に交付します。
上記③以外の理由によって信託を終了させる場合は、委託者に全信託財産を交付します。
(11)
信託報酬
信託報酬についてはお問合せいただければ具体的に回答いたします。
(12)
租税その他費用
信託財産に関する租税その他信託事務の処理に必要な費用は信託財産から随時支払うか、委託者にご請求します。
(13)
信託財産の計算期間
当初信託設定日または前回計算期日の翌日から、計算期日または信託終了日までの期間を計算期間とします。
(14)
信託財産状況報告書の作成交付
計算期間ごとに信託財産状況報告書を作成し、委託者及び受益者代理人に対して交付します。
(15)
中途解約の取扱
委託者が信託契約の解約を申入れ、受託者がこれに同意したときは信託契約を解約できます。
(16)
信託の終了
次の場合に信託は終了します。
受託日より1年して、委託者、受託者が期間満了の3ヶ月前にまでに受益者代理人の承諾を得て、書面による終了の意思を示さない場合など、契約期間が満了したとき。
保全とする信託財産が償却などで、保全の必要がなくなったとき。
委託者等信託関係者が反社会的勢力に該当することが判明したとき。
その他信託の目的を達成することが困難になったとき。
(17)
元本補てん契約、利益補足契約の有無
元本補てん契約はありません。
利益の補足は行いません
(18)
預金保険適用の有無
預金保険の適用はありません。
(19)
受益権の譲渡制限
本信託の受益権は、譲渡又は質入れすることはできません。
本信託の受益者は変更することができません。
(20)
その他留意事項
受益者代理人は原則、弁護士や公認会計士、税理士など公的な資格を有する人(自然人・法人)となります。
受益者代理人は元本受益者の代表として、受益者に代わって委託者または受託者に対する契約に定めた行為を行います。
本信託の元本受益者は委託者が設置運営する有料老人ホーム等につき、入居契約を締結し、入居契約に基づく入居一時金を交付した入居者となりますが、元本受益者は、元本受益権の行使に該たる事由が生じるまでは、受益権を有しないものとなります。
(21)
公告の方法
官報に掲載します。
(22)
指定紛争期間
一般社団法人信託協会。
(連絡先) 信託相談所  (電話番号)0120-817-335 または03-6206-3988
本商品概要書は、信託業法第25条(信託契約の内容の説明)に基づき作成されています。